2007年 09月 15日
ボルネオでモノ思う。プランテーションの恐怖 |
ポコポコとしたヤシの木が広がる風景は、一見、雄大でのどかで、可愛らしくさえ見えるかもしれません。でも、このプランテーションが、ボルネオに大きな問題を巻き起こしています。
パームオイル、つまり椰子油は、石鹸や食用油として利用されます。「環境に優しい」パームでつくった洗剤は日本でもおなじみ。お菓子や食品にも、安価で健康にいいパームオイルはたくさん使われています。
パームオイルのプランテーションは、熱帯雨林を切り開いてつくられました。この20年で約10倍の面積になったとか。「環境に優しい」バイオエネルギーに注目が集まり、その原材料として、今後も拡大が予想されています。
この影響で、熱帯雨林の生物多様性が、致命的なダメージを受けています。
象や猿、サイ…などなど、熱帯雨林で生きていた動物たちは、プランテーションでは邪魔者です。熱帯雨林を形作っていた木や草はすべて切り開かれて姿を消しました。農薬の影響で、昆虫も雑草も排除されて、土壌は汚染されました。
棲家を失った動物たちは、わずかに熱帯雨林が残っているキバタンガン川沿岸へと追いやられてしまいした。そのおかげで、今、キナバタンガン川沿岸でネイチャーツアーができるようになったという、なんとも皮肉な現実があります。これは喜ぶべきことなのか、悲しむべきことなのか。
ジャングルがプランテーションで途切れてしまった場所もあり、こちらの森からあちらの森へ、食べ物を求めて動物が移動する際に、プランテーションを通らざるをえないこともあります。パームオイルの若芽は動物たちにとってもごちそう。プランテーション側から見れば、絶滅の危機に瀕した動物であっても、「食害」以外の何者でもありません。
敷地の回りに高圧電流を流しているところもあり、銃や罠、といった現実もあります。セピロク・オラウータンセンターのオラウータンたちは、そうして怪我をしたり、親を殺されたオラウータンたちの保護センターなのです。
そもそも、熱帯雨林の樹木は、木材として大量に、無計画に伐採されて輸出されました。日本でも安価なコンパネとして使い捨てられたのです。パームオイルを大量に消費するのも、先進国。
こんな現実を知っている人は少ないと思うけど、日本は間違いなく有罪です。
地球温暖化の問題と同じく、「知らない」ということ、「関心がない」ということ自体が罪なのだと、まずは自覚するところから始めなければならないのかな?
by chiharu-N413
| 2007-09-15 13:40
| 旅