2011年 08月 23日
八月花形歌舞伎 1部~3部 |
第一部
花魁草
福助さんのお蝶、幸太郎は獅童さん、米之助は勘太郎くん、その妻は芝のぶちゃん!
安政大地震を生き延びた吉原の女郎と、大部屋役者、それを取り巻く人々を描いた北條秀司作の新歌舞伎です。
互いを思うお蝶と幸太郎をはじめ、心優しい人しか出てこない、しみじみと味わい深い作品。
大地震後の物語ということで、久しぶりの再演となったとか。
福助さん演じるお蝶の心持ちが胸にせまりました。泣けた。
伊達娘恋緋鹿子 櫓のお七
七之助くん初役の八百屋お七。人形ぶりも初挑戦だったそう。
昔むかし、多分中学生の頃、玉三郎さんの櫓のお七をテレビで放送していて、たまたま見て引き込まれたことを、今でも覚えている。「人形が人間みたいだ」という祖母に、「人間が人形みたいなんだよ」と言ったこともよく覚えている。
以来、見てみたいと思いつつ、きちんと見たのはこれが初めてでした。
元気いっぱいな七之助のお七でした。
第二部
新作歌舞伎 東雲烏恋真似琴 あけがらすこいのまねごと
花魁小夜に福助さん、小夜に恋するあまり人形に恋をしてしまう生真面目な武士・新左衛門を橋之助さん、新左衛門の友人関口多膳を扇雀さん、人形氏・左宝月を獅童さん、新左衛門の弟・秋之丞は勘太郎くん、母お弓は萬次郎さん、新左衛門の許嫁になるはず(?)のお若を七之助さん。
G2作・演出、G2さんが初めて書き下ろした新作歌舞伎です。
「憑神」や「魔界転生」の演出も手掛けたということで橋之助さんとはおなじみだったらしい。
単なるお笑いじゃない新作歌舞伎が見たい、と思っていたのだけれど、これはその枠を越えて、分かりやすく、とても面白い作品になっていたと思いますです。◎の新作歌舞伎でした。
夏魂まつり なつ たままつり
芝翫さんを中心に、福助さん、橋之助さん、国生、宜生と、成駒屋3代の舞踊です。
京都五山の送り火を題材に、華やかな中に鎮魂の思いを込めた一幕でした。
第三部
宿の月
橋之助さんと扇雀さんが夫婦を演じる舞踏劇。
祝言から年を経るごとに変わっていく夫婦像が、実にリアルで面白い!!
ああ、その感じ、分かる分かる! と手をたたきたくなる、とても面白い舞踏劇でした。
怪談乳房榎 中村勘太郎四役早替りにて相勤め申し候
うわばみ三次/下男正助/菱川重信/三遊亭円朝の4役を勘太郎くん、お関は七之助くん、磯貝浪江を獅童さんが演じるフレッシュな乳房榎。茶屋女で小山三さん、女中で芝のぶちゃんもご登場です。
勘太郎初挑戦の乳房榎。早変わりの妙は若くて機敏なだけにお見事な出来。3役の人物像の演じ分けも文句のないデキでした。
ああ、面白かった!!
勘三郎さんの留守は寂しいけれど、でも、しっかり留守を守れるようになっているんだな、と実感する、今回の花形歌舞伎でした。
by chiharu-N413
| 2011-08-23 13:34
| 歌舞伎