2009年 08月 27日
納涼歌舞伎 千秋楽 |
2部 真景累ヶ淵 しんけいかさねがふち 豊志賀の死
豊志賀は福助さん、新吉は勘太郎くん、梅枝くんのお久に、彌十郎さんの勘蔵、噺家さん蝶を勘三郎さん。
2001年の納涼歌舞伎以来、8年ぶりの豊志賀。福助さんは相変わらず絶好調。楽しいんだろうなぁ、ああいう役。
勘太郎くんの新吉は、8年分の成長が見えるようでした。ただ怖いだけじゃなくて、ああいう病人の看病に、つくづく嫌気がさしてる気持ちが伝わってきました。
うんうん。わかるよ、その気持ち。
船弁慶
静御前/平知盛の霊を勘三郎さん、源義経は福助さん、武蔵坊弁慶は橋之助さん、舟長三保太夫は三津五郎さん。四天王を松也さん、巳之助くん、新吾くん、隼人くんが演じる、フレッシュな船弁慶。
静も知盛も、勘三郎さんは鬼気せまる迫力。花道引っ込みでは「大当たり」の大向こうがかかって、さすが千秋楽の盛り上がり。勘三郎さんの舞を、真剣にガン見している四天王のまなざしや、とっても凛々しい福助さんの義経が印象的でした。
3部 国と五平
扇雀さんのお国に三津五郎さんの池田友之丞、勘太郎くんの若党五平。
谷崎潤一郎原作。ドロドロの愛憎劇……のはずなのですが、私の後ろの席に、なにかと大笑いするおばちゃんたち3人組が。そこ笑うとこじゃないでしょ、ぜんぜん笑える話じゃないし、というところでいちいち大笑いして、その笑いが場内に伝播して、あれ? これって喜劇だったんだっけ?みたいな雰囲気が満ちてしまった。
もおおぉ、後ろ振り返ってにらんでやろか、と思うぐらい、不愉快でした。役者さんにも失礼だと思う。
おばちゃんたちは笑いのツボが違う、と思うことは度々あるのだけど、万が一、私もそういう反応を示すようになったら、観劇を自粛しよう、と固い決心を固めたのでした。
怪談乳房榎 ~中村勘三郎四役早替りにて相勤め申し候~
菱川重信/下男正助/蟒三次の三約を早替わりで勘三郎さん、磯貝浪江は橋之助さん、重信妻お関は福 助さん。
8年ぶりの怪談乳房榎。勘三郎さんの早替わりは相変わらずお見事の一言。衣装や鬘が変わるだけじゃなく、滲み出るような人品骨格もガラリと変わっちゃう。舞台裏を駆け抜ける勘三郎さんの足音が響いたりして、息もつかせぬ展開のまま、幕がしまります。……あれ? 勘三郎さん四役って話じゃなかったっけ?と思っていたら、ふたたび幕が上がり、三遊亭円朝が! これが勘三郎さんの四役目。「怪談乳房榎」のその後を語り、納涼歌舞伎20年の思いを語り、拍手喝采の中、ホントの幕が降りるのでした。
…が、しかし。今日は千秋楽。拍手は鳴りやまず、カーテンコール。
「いつもはカーテンコールないから、みんな帰っちゃったんですけど、大和屋も成駒屋もよろしくと言ってました」「新歌舞伎座になっても納涼歌舞伎に出続けたい」と挨拶して、現在の歌舞伎座最後の納涼歌舞伎は幕を下ろしたのでした。
そうそう。幕開けには小山三さんもご出演。「このあいだ90歳になったんだってね。髪なんか黒々として、あやかりたいねぇ。いつまでも元気でがんばって」と、福助さんと会話する演出で、場内大いに盛り上がりました。
by chiharu-N413
| 2009-08-27 23:46
| 歌舞伎