2006年 10月 20日
マジ・ドラマでした 染模様恩愛御書 |
行っちゃいました!
大阪松竹座 染模様恩愛御書(そめもようちゅうぎのごしゅいん)
細川の男敵討(ほそかわのかたきうち)
←はじめて行きました。大阪松竹座。
かの有名な道頓堀かに道楽の斜め前なんですね。そんで、かの有名な道頓堀のグリコもすぐ近くなんですね。知らなかった。
いやいや。実に見どころが満載の、晴らしい舞台でした。満足!
これ、「衆道もの」とか「BL(Boy’s Love)」とかいわれ、そこばかりが取り沙汰されていた感がありましたが、見終わった感想をひとことでいうと、「マジ・ドラマだね」。このひとことにつきます。
もちろん、染五郎さん演じるところの「鼻筋通ったいい男」大川友右衛門と、愛之助さん演じる「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は杜若」という印南数馬のラブロマンスでもあるんです。
一目会ったその日から、恋の虜になって、なんだかとっても嬉しそうな友右衛門。戸惑いながら、恥ずかしげに、でも嬉しげな数馬の姿は、ハタで見ていて恥ずかしいぐらい。
でも、その嬉しさが、客席まで伝わってきて、なんだかとっても楽しくなっちゃうのは、染ちゃんのチャーミングさと、愛ちゃんの可憐さのたまものでしょう。
「お袖に汚れが」と手紙やら恋歌やらを袖に入れる友右衛門。積極的です。
「こりゃどうしたらよかろうか」と悩みつつ、今夜部屋へ忍んで来てくるようにと、手紙を渡す数馬。こっちも積極的です。
そして、その夜、数馬の部屋。「はじめて会ったその日から」と、互いの愛を告白しあう二人。
数馬、友右衛門の手を取って寝間へと導きます。
スクリーンの向こうに消える二人。
……と、帯をクルクルとかれる友右衛門。「お代官様、あれ~」のあれです。
はい、笑いもちゃんと用意されてます。
……って、これ逆じゃないかい? ま、逆だったら笑えないか……。
この先はスクリーンの向こう側、影絵で映る二人。
着物を脱いで、口づけ、そのまま倒れこみます。
しばし後。帯を締めながら出てくる友右衛門。
よいしょっと、と袴を着けながら出てくる数馬。
この後、数馬が仇を持つ身であることを打ち明け、二人は腕を切って傷口を重ね、血潮の誓いを立てて、義兄弟となります。
よっしゃ。これでこそ衆道もの!ってところでしょうか。
傷に口を寄せあい、血を吸いあう二人。
もおお! このシーン、寝間のシーンより色っぽい!! ドキドキしちゃったですよ。ホント。
特に愛ちゃんの色っぽいこと! いかん! 今思い出してもドキドキしてきた!
……が、しかし。
甘い恋の時間はここまで。
二人の不義密通が知られるところとなり、藩主、細川越中守の前に引き出されます。
重ねてふたつにされるところ、互いを庇いあう二人の姿に、細川の殿様ったら、あっさり二人を許し、友右衛門を武士に取り立てる寛大さ。
これを恩義に感じる友右衛門、この殿様のためなら命も惜しまない、と決心を固めるのです。
で、数馬の敵討ちは果たすものの、その仇が放った火で、細川家の屋敷が火事になり、家康公から賜った大事な御朱印を守ろうと、火の中に飛び込んでいく友右衛門。
御朱印を手にするものの、もはや生きて出ることは無理と判断して、切腹。
「これは肝臓、これは腎臓、これが大腸。三つあわせて勧進帳」(おいおい)と、はらわたをつかみだし、その傷口に御朱印を押し込み、息絶える友右衛門。
みごと、自らの命と引き換えに、恩義のある細川家の重宝を守ったのでした。
歌舞伎に「恩義」とか「忠義」がテーマになっている物語はたくさんあるんだけど、現代人にとって、これほど分かりにくくて、釈然としない気持ちにさせられるものはないんです。
でも、今回はちがいます。恩義をうけたのが当の本人だからか、細川越中守もちゃんと人間らしく描かれているからか。不義密通の現行犯だったのに、許してくれちゃった殿様のために命をかけるなんて、これこそ武士の心意気、ってもんでしょ!と、とっても納得しちゃうんです。
火事場のシーンは物語のクライマックス。
その昔は本物の火を使ったそうですが、消防法がある現代では無理な話し。
その分、スモークと照明、火の粉に見立てた赤いキラキラの紙吹雪が客席にまでドッカンドッカン爆発音とともに降り注いで、劇場全体に火事場の臨場感がみなぎりました。
←筋書きです。一緒に写ってる赤いキラキラは、火事場のシーンで降り注いできたもの。拾い集めたわけじゃなくて、膝の上にたまったものです。記念に筋書きに挟んできちゃいました。
大阪松竹座 染模様恩愛御書(そめもようちゅうぎのごしゅいん)
細川の男敵討(ほそかわのかたきうち)
←はじめて行きました。大阪松竹座。
かの有名な道頓堀かに道楽の斜め前なんですね。そんで、かの有名な道頓堀のグリコもすぐ近くなんですね。知らなかった。
いやいや。実に見どころが満載の、晴らしい舞台でした。満足!
これ、「衆道もの」とか「BL(Boy’s Love)」とかいわれ、そこばかりが取り沙汰されていた感がありましたが、見終わった感想をひとことでいうと、「マジ・ドラマだね」。このひとことにつきます。
もちろん、染五郎さん演じるところの「鼻筋通ったいい男」大川友右衛門と、愛之助さん演じる「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は杜若」という印南数馬のラブロマンスでもあるんです。
一目会ったその日から、恋の虜になって、なんだかとっても嬉しそうな友右衛門。戸惑いながら、恥ずかしげに、でも嬉しげな数馬の姿は、ハタで見ていて恥ずかしいぐらい。
でも、その嬉しさが、客席まで伝わってきて、なんだかとっても楽しくなっちゃうのは、染ちゃんのチャーミングさと、愛ちゃんの可憐さのたまものでしょう。
「お袖に汚れが」と手紙やら恋歌やらを袖に入れる友右衛門。積極的です。
「こりゃどうしたらよかろうか」と悩みつつ、今夜部屋へ忍んで来てくるようにと、手紙を渡す数馬。こっちも積極的です。
そして、その夜、数馬の部屋。「はじめて会ったその日から」と、互いの愛を告白しあう二人。
数馬、友右衛門の手を取って寝間へと導きます。
スクリーンの向こうに消える二人。
……と、帯をクルクルとかれる友右衛門。「お代官様、あれ~」のあれです。
はい、笑いもちゃんと用意されてます。
……って、これ逆じゃないかい? ま、逆だったら笑えないか……。
この先はスクリーンの向こう側、影絵で映る二人。
着物を脱いで、口づけ、そのまま倒れこみます。
しばし後。帯を締めながら出てくる友右衛門。
よいしょっと、と袴を着けながら出てくる数馬。
この後、数馬が仇を持つ身であることを打ち明け、二人は腕を切って傷口を重ね、血潮の誓いを立てて、義兄弟となります。
よっしゃ。これでこそ衆道もの!ってところでしょうか。
傷に口を寄せあい、血を吸いあう二人。
もおお! このシーン、寝間のシーンより色っぽい!! ドキドキしちゃったですよ。ホント。
特に愛ちゃんの色っぽいこと! いかん! 今思い出してもドキドキしてきた!
……が、しかし。
甘い恋の時間はここまで。
二人の不義密通が知られるところとなり、藩主、細川越中守の前に引き出されます。
重ねてふたつにされるところ、互いを庇いあう二人の姿に、細川の殿様ったら、あっさり二人を許し、友右衛門を武士に取り立てる寛大さ。
これを恩義に感じる友右衛門、この殿様のためなら命も惜しまない、と決心を固めるのです。
で、数馬の敵討ちは果たすものの、その仇が放った火で、細川家の屋敷が火事になり、家康公から賜った大事な御朱印を守ろうと、火の中に飛び込んでいく友右衛門。
御朱印を手にするものの、もはや生きて出ることは無理と判断して、切腹。
「これは肝臓、これは腎臓、これが大腸。三つあわせて勧進帳」(おいおい)と、はらわたをつかみだし、その傷口に御朱印を押し込み、息絶える友右衛門。
みごと、自らの命と引き換えに、恩義のある細川家の重宝を守ったのでした。
歌舞伎に「恩義」とか「忠義」がテーマになっている物語はたくさんあるんだけど、現代人にとって、これほど分かりにくくて、釈然としない気持ちにさせられるものはないんです。
でも、今回はちがいます。恩義をうけたのが当の本人だからか、細川越中守もちゃんと人間らしく描かれているからか。不義密通の現行犯だったのに、許してくれちゃった殿様のために命をかけるなんて、これこそ武士の心意気、ってもんでしょ!と、とっても納得しちゃうんです。
火事場のシーンは物語のクライマックス。
その昔は本物の火を使ったそうですが、消防法がある現代では無理な話し。
その分、スモークと照明、火の粉に見立てた赤いキラキラの紙吹雪が客席にまでドッカンドッカン爆発音とともに降り注いで、劇場全体に火事場の臨場感がみなぎりました。
←筋書きです。一緒に写ってる赤いキラキラは、火事場のシーンで降り注いできたもの。拾い集めたわけじゃなくて、膝の上にたまったものです。記念に筋書きに挟んできちゃいました。
by chiharu-N413
| 2006-10-20 23:15
| 歌舞伎