2009年 11月 09日
読書は美徳か悪徳か |
最初の読書の記憶は、父の膝の上。
絵本を開いて、文字を教えてもらっているシーンです。
多分、5歳ぐらいかな? 幼稚園の先生がほとんど日本語のわからないアメリカ人で、アルファベットは教えてくれても、ひらがなは教えてくれなかったので、父が教えてくれたのでしょう。
以来、私の人生には、いつも読書がありました。
小学校の頃、ランドセルをしょって、本を読みながら学校から帰ってくる私は、近所の名物……だったかも。
「よく本を読んで、えらいわねぇ」とほめられました。
おかげで、作文、読書感想文、ちょっと珍しいところで俳句など、そのテの賞状をいっぱいもらったもんです。
ところが、先日、ある人から、こんなことを言われました。
「小説なんてどうせ嘘が書いてあるんだから、読んでも仕方ない」。
本を読むことをほめられこそすれ、悪いことのように言われたのは生まれて初めてだったので、しばらくショックで固まってしまったよ。ったく……。
彼女は81歳(……って、誰だかバレバレだ)。
じっとしているのが何よりも苦手で、掃除、洗濯、料理……と、1日中動きっぱなし。お茶を飲みながら世間話をするとか、テレビを見るとか、そういうことは苦痛なんだそうです。
彼女に言わせたら、本を読んでる暇があったら、掃除した方がよっぽどいい、ということになるのでしょう。
面白い本を読み始めると、家事もほったらかして、睡眠時間も削って読書に没頭してしまうのは、確かに悪徳なのかも……。
でもねぇ。小説は登場人物もストーリーも架空だけど、その背景に描かれる世界は、本物じゃないと薄っぺらになっちゃうし。けっこう雑学はある方なんじゃないかと思うけど、そういう雑学って、間違いなく本から仕入れた知識だし。歴史小説が好きだから日本の歴史には強いし。なんでこんな字が読めるんだろう、と自分でも不思議に思うような漢字が読めちゃったりするし……。
知ってても実生活で役に立つことはあんまりないし、知らなくても全然困らないんだけど、そういう無駄な知識がいろいろあることが、人生を豊かにするんじゃなかろうか、と思う。
で、「本を読まない人の言い訳ね」という結論に達して、自分をなぐさめているのでした。
これは私の「悪徳の吹き溜まり」(本当は「知識の泉」ぐらい言いたい気分だけど、それほどのもんでもない……)。
八ヶ岳に新築したガレージハウスに、壁一面の本棚を作ってもらったので、あちこちに分散していた本たちや、自分の作品、歌舞伎の筋書きなどなど、ここにせっせと集めています。
整理整頓は得意じゃないけれど、ジャンル別、作家別に、本棚の中身はきっちり並んでないと気がすまないので、まだまだ整理中。
けっこう詰め込んでも、空きがあるのが嬉しい限り。だって、まだまだ読んでも大丈夫、って本棚が言ってくれてるみたいなんだもん。
こういうのって、本読みじゃないと分からない心理なんだろうなぁ。
でも……、今度この本棚を見せたら「いらない本は捨てた方がいいわよ」なんてことを言うんだろうなぁ、きっと、あの人は……。もちろん、いらない本は捨てたり、売ったりしていますとも。
絵本を開いて、文字を教えてもらっているシーンです。
多分、5歳ぐらいかな? 幼稚園の先生がほとんど日本語のわからないアメリカ人で、アルファベットは教えてくれても、ひらがなは教えてくれなかったので、父が教えてくれたのでしょう。
以来、私の人生には、いつも読書がありました。
小学校の頃、ランドセルをしょって、本を読みながら学校から帰ってくる私は、近所の名物……だったかも。
「よく本を読んで、えらいわねぇ」とほめられました。
おかげで、作文、読書感想文、ちょっと珍しいところで俳句など、そのテの賞状をいっぱいもらったもんです。
ところが、先日、ある人から、こんなことを言われました。
「小説なんてどうせ嘘が書いてあるんだから、読んでも仕方ない」。
本を読むことをほめられこそすれ、悪いことのように言われたのは生まれて初めてだったので、しばらくショックで固まってしまったよ。ったく……。
彼女は81歳(……って、誰だかバレバレだ)。
じっとしているのが何よりも苦手で、掃除、洗濯、料理……と、1日中動きっぱなし。お茶を飲みながら世間話をするとか、テレビを見るとか、そういうことは苦痛なんだそうです。
彼女に言わせたら、本を読んでる暇があったら、掃除した方がよっぽどいい、ということになるのでしょう。
面白い本を読み始めると、家事もほったらかして、睡眠時間も削って読書に没頭してしまうのは、確かに悪徳なのかも……。
でもねぇ。小説は登場人物もストーリーも架空だけど、その背景に描かれる世界は、本物じゃないと薄っぺらになっちゃうし。けっこう雑学はある方なんじゃないかと思うけど、そういう雑学って、間違いなく本から仕入れた知識だし。歴史小説が好きだから日本の歴史には強いし。なんでこんな字が読めるんだろう、と自分でも不思議に思うような漢字が読めちゃったりするし……。
知ってても実生活で役に立つことはあんまりないし、知らなくても全然困らないんだけど、そういう無駄な知識がいろいろあることが、人生を豊かにするんじゃなかろうか、と思う。
で、「本を読まない人の言い訳ね」という結論に達して、自分をなぐさめているのでした。
八ヶ岳に新築したガレージハウスに、壁一面の本棚を作ってもらったので、あちこちに分散していた本たちや、自分の作品、歌舞伎の筋書きなどなど、ここにせっせと集めています。
整理整頓は得意じゃないけれど、ジャンル別、作家別に、本棚の中身はきっちり並んでないと気がすまないので、まだまだ整理中。
けっこう詰め込んでも、空きがあるのが嬉しい限り。だって、まだまだ読んでも大丈夫、って本棚が言ってくれてるみたいなんだもん。
こういうのって、本読みじゃないと分からない心理なんだろうなぁ。
でも……、今度この本棚を見せたら「いらない本は捨てた方がいいわよ」なんてことを言うんだろうなぁ、きっと、あの人は……。もちろん、いらない本は捨てたり、売ったりしていますとも。
by chiharu-N413
| 2009-11-09 12:21
| よもやま話